コラム

2022.04.21
ケース・レポート①後編「アルツハイマー病」
翌朝は夜来の風も止み空はたかく澄んでいた。 この日は市庁舎で、保健省の実務担当者と具体的な臨床研究のすすめ方について話し合うことになっていた。市庁舎はホテルから5分ほどのところにあり、かつての旧オブレノビッチ王朝時代の壮麗な宮殿であった。議会は休会中のため扉は閉じられていたが、ほどなく脇の入り口に書記官があらわれ私たちを招き入れてくれた。 天井の高い広いエントランスをぬけて二階にあがると応接室でJ教授、保健相秘書官、N氏が待っていた。   冒頭、私から日本で行われつつあるADの臨床研究(二重盲検試験)の結果を紹介した。ついで秘書官から、培養上清の特許について質問があり、さらに製造設備

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